新年のごあいさつ


 平成24年の初春を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。
年頭に際してご挨拶申し上げます。

 「20年間の日本の雌伏の時が終わりを告げようとしている」という希望を昨年の新年のあいさつに託しましたが、 3月11日の大震災で先送りになってしまいました。自分がもし開業したばかりの半年で津波に全部持って行かれたらどうなっただろうか、 と考えるだけで恐ろしくなりました。10月頃からやっと物が考えられるようになったと思いますが、昨年は本当にあっと言う間に 過ぎたような気がします。戦後「艦砲射撃の喰い残し(カンポーぬくぇぬくさー)」と言いながら、生き残った自分たちを励まし合って生きて来た 沖縄の人々と、たまたま津波に襲われなかった我々が重なり、一日も早い被災地の復興を支援して行きたいと思いました。 当院におきましても募金箱を設置しましたところ、早々と1万円近くの義援金(8,699円)が寄せられ、 日本赤十字社・沖縄県医師会を通じて被災地に届けることができました。紙上を借りて厚く御礼申し上げます。

 今も辛い日々を送られている皆様のことを考えると本当に胸が痛くなりますが、昨年は「なでしこジャパン」が震災後の日本に 明るい話題を提供してくれました。本来ならおしとやかな大和撫子もいざ決戦となると、女性の強さを証明し、我々に勇気を与えてくれました。

 昨年はまた欧州経済が歴史的な債務危機を経験し、東南アジアの水害に日本の優良企業は更なる打撃を受けました。 沖縄県の我々も普天間基地の移設は混迷したままTPP交渉参加に戸惑い、まさに内憂外患という状態でした。 今年は各国のリーダーが変わる年であり、「がらがらポン」に伴う波乱の年となることが予想されています。 しかし世界的に変化の胎動が感じられるのもまた事実です。日本でも復興需要による内需の拡大が広がる可能性が高く、 もうひと踏ん張りすれば光が射してくると信じております。

 当院もお蔭さまで、1周年を迎えることが出来ました。周囲の状況はめまぐるしく変化しました。 職員のうち2名がダイエットアドバイザーの資格をとる快挙がありました。スタッフに新しいメンバーが加わり、 開業当初からのスタッフの異動・転勤もありました。それぞれ新しい場所でのご活躍を期待しております。 ホームページも自分たちの手で作成し、院内の状況をつぶさに発信できるよう頑張っております。

 また、当院は保健師が勤務しているクリニックですので、特定保健指導が出来るような体制を 完備しました。既に那覇市とは国民健康保険加入者の特定保健指導ができるように契約を結びました。 まだ実績はありませんが、ゆっくりと地域の保健室としても活躍の場を広げて参りたいと思っております。 企業における健康診断も増やし、特殊健康診断(有機溶媒取扱者)、船員健診など働く皆様を支えるクリニックとして 「新しい流れ」を作って行く所存でございます。

 今後浦添市においても生活習慣病治療の啓蒙活動を進めつつ、クリニックの認知度の向上、地域に根ざした医療、 専門性を活かした医療とその発信、研究への取り組みなど進めて参りたいと思います。開業当初から院長による勉強会、 業者さんによる勉強会も開催して来ました。今後とも学会にも積極的に参加し、院長自身の質の向上に努めて行きたいと思います。

 今年は辰年ですので、恵みの雨をふらせることが出来るよう精進し、さわやかに昇龍の年を迎えたいと思っております。

 今後ともこれまで以上にご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。



                         2012年 1月

島尻キンザー前クリニック

                          院長  島尻 佳典